ほうれい線は、若い世代や男性でも目立つことのある肌悩みです。その原因を知ることで、早いうちから正しい対策ができます。そこで、今回は、ほうれい線の原因についてご紹介します。
ほうれい線の3大原因
ほうれい線の原因はさまざまですが、根本的な原因は、肌のたるみです。そして、このたるみの原因は大きく3つに分かれます。
1つ目の原因は、真皮の衰えです。
真皮は、線維芽細胞とそれによってつくられるコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸、プロテオグリカンなどからできています。その中で、コラーゲンが70%程度を占め、エラスチンとともに、網目状の構造をつくることで肌のハリや弾力の源となっています。しかし、加齢により、コラーゲンやエラスチンは減少し、衰えたり、変性してしまい、線維芽細胞も活力を失い、減少します。その結果、真皮が衰えてたるみをもたらします。また、真皮の衰えは、加齢だけではなく、紫外線ダメージ、乾燥、ストレスなどのさまざまな原因が絡み合っています。
2つ目の原因は、表情筋の衰えです。
人の多様な表情をつくるためにはたらいている表情筋は、骨と皮膚でつながっているので、表情筋の衰えが肌の見た目に影響を与えます。表情筋の中で、ほうれい線と関係が深いのが、唇の周りにあり口元のさまざまな表情をつくる口輪筋と、上下あご関節から口角まで伸びて口角を上げるはたらきがある頬筋です。表情筋は、加齢や表情を変えないなど、使わないことが原因となって衰えます。さらに、筋肉もたんぱく質でできているので、バランスの悪い偏った食事なども表情筋が衰える原因の1つです。
3つ目の原因は、皮下組織・皮下脂肪の衰えや肥大化です。
ほうれい線の周りの頬は、顔の中でも皮下脂肪が多いことがわかっています。この皮下脂肪は、脂肪細胞の量が増えることと、1つひとつの脂肪細胞が肥大化することで、全体として肥大化します。脂肪層と皮膚や骨の間には、細かな線維組織があり、これが脂肪を支えていますが、脂肪細胞が肥大化して脂肪層全体が重くなると、耐えきれなくなり、伸びたままになります。また、脂肪層の周りには、ネットがあって脂肪を包み込んでいます。しかし、加齢でネットが衰えたり、脂肪細胞が肥大化すると、ネットは伸びたままになってしまいます。
3大原因以外のほうれい線の原因
ほうれい線の最も大きな原因はたるみですが、ほかにもさまざまな要因が影響しています。
まず、肌の乾燥です。乾燥肌では、肌のキメが乱れ、ツヤがなくなります。その結果、薄いほうれい線が目立つ原因になります。乾燥が原因のほうれい線は、エイジングケア化粧品で改善することができますが、放置すると、真皮にも悪影響を与え、たるみをもたらす可能性もあるので注意しましょう。
また、糖化も原因になります。糖化とは、体内でたんぱく質と糖が結びついて、老化物質であるAGEsがつくられてしまう現象です。AGEsが増えると、コラーゲンとエラスチンの代謝も遅らせてしまうので、糖化は真皮の衰えを促進することで、ほうれい線の原因となるのです。
血行やリンパの流れが滞ると顔のむくみの原因になりますが、顔のむくみは、皮下組織の脂肪層に水分を溜めてしまいます。脂肪層に水分が溜まると、脂肪が膨張してしまい、皮下脂肪の肥大化をもたらすこともあるのです。
さらに、急激で無理なダイエットは、身体や肌のたんぱく質の低下をもたらします。その結果、ほうれい線の原因となる、表情筋の筋力低下、コラーゲンやエラスチンなどの不足、血管やリンパ管の栄養不良といった状態を招いてしまうのです。
ほかにも、猫背などの悪い姿勢や生活の癖、歯並びの悪さ、骨粗鬆症、遺伝的要因などもほうれい線の原因になることがあります。
まとめ
ほうれい線の主な原因は顔のたるみですが、それに関連するものも含め、原因はさまざまです。ほうれい線の原因を理解して、それに合った対策を早いうちから実施することが大切です。